無分類

牢として

漁師の愛人 著 森絵都2013/12/15 発行 実際の君は、牢としてそこから動けずにいる 【牢として】ろうとして 固くしっかりしていて、動かしたり変えたりすることができないさま

淋漓

ねむり姫 著 澁澤龍彦 血が、白銀の糸で縁どりした唐衣の袖口を淋漓と濡らして 【淋漓】りんり ・水、汗、血などがしたたり流れるさま ・勢いなどが表面にあふれ出るさま

下生

ねむり姫 著 澁澤龍彦 この花が咲けば如来が下生すると聞かされて、島のひとびとは手もなく浮かれ 【下生】げしょう ・仏語。極楽に往生するもののうち、それぞれの最下位 ・神仏がこの世に現れること

言条/言状

バナナ剥きには最適の日々 著 円城塔2012年4月 発行 元も子もない。そうは言い条わたし自身の研究生活は 【言(い)条/言(い)状】いいじょう ・言いたい事柄。言い分。「あなたの―ばかりで」 ・…とは言うものの。…とは言いながら

合一

バナナ剥きには最適の日々 著 円城塔2012年4月 発行 耳を澄ませ。心を開け、宇宙と合一しろ、さすれば真理は自ら語り出すであろう 【合一】ごういつ 二つ以上のものが合わさって一つになること。また、一つにすること。「知行―」

付する/附する

ピカルディの薔薇 著 津原泰水2006年11月 発行 ともあれ、附して記す 【付する/附する】ふする ・ついていく。従う ・添える。付け加える。「写真を―する」 ・与える。交付する。「証書を―する」 ・任せる。託す。また、そのような扱いにする。「不問に―する…

危急

ピカルディの薔薇 著 津原泰水2006年11月 発行 理由の一つは、精神的に、危急の引越であったからです 【危急】ききゅう 危険や災難がさし迫っていること

背反

シャイロックの子供たち 著 池井戸潤2006年1月30日 発行 栄光の一年、それと背反する挫折と絶望の一年 【背反】はいはん ・相いれないこと。食い違うこと ・従うべきものにそむくこと。違背

奏功

シャイロックの子供たち 著 池井戸潤2006年1月30日 発行 やっぱり粗品が奏功したみたいです 【奏功】そうこう 目標どおりの成果があがること。功を奏すること。「和解工作が―する」

隔世の感

忌中 著 車谷長吉2003年 発行 先生がおったった時とは、隔世の感です 【隔世の感】かくせいのかん 変化が激しく、まるで世代が変わってしまったような感じ。「―を禁じえない」

好一対

蘆屋家の崩壊 著 津原泰水1999年6月 発行 あんがい好一対ではあるまいか 【好一対】こういっつい 二つの物や人がよく調和し、似合ってること。「―の夫婦」

さやか

蘆屋家の崩壊 著 津原泰水1999年6月 発行 笑った。電話だが笑っているのはさやかに伝わってきた 【明か/清か】さやか ・さえて明るいさま ・音、声がよく聞こえるさま ・さわやかなさま ・はっきりしているさま

斥候

蘆屋家の崩壊 著 津原泰水1999年6月 発行 蟲が大量に育ってきたと見ると猿渡さんに斥候を託して 【斥候】せっこう 敵の状態や地形などを探ること。また、そのために部隊から派遣する少数の兵士。「―を放つ」

混交/混淆/渾淆

蘆屋家の崩壊 著 津原泰水1999年6月 発行 イメージが混淆していたとしたら、もう完璧です 【混交/混淆/渾淆】こんこう 異なるものが入り混じること。ごちゃごちゃになること。「玉石が―する」「和漢―文」OOO

巧拙

ノーフォールト 著 岡井崇2007年4月 発行 知識のみでなく説明の巧拙や患者の気持ちへの配慮などが採点される 【巧拙】こうせつ たくみなこと、つたないこと。じょうずとへた。「技術の―を問わない」

悉皆

抒情的恐怖群 著 高原英理2009年4月10日 発行 溢れる優雅さが、悉皆男たちに捧げられ、あまつさえ食い荒らされるのを 【悉皆】しっかい ・残らず。すっかり。全部 ・まるで ・(あとに打消し語を伴って)全然。まったく□

隆盛

傷だらけの店長 著 伊達雅彦2010年7月 発行 かつては地域一番店として隆盛を誇っていた時代もあった 【隆盛】りゅうせい 勢いが盛んなこと、さま。隆昌(りゅうしょう)。「―を極める」

行幸

鹿笛 著 宇江敏勝2013年8月15日 発行 斉明天皇は紀温湯に行幸されたのである 【行幸】ぎょうこう/みゆき 行くことを敬っていう語。天皇の外出。行き先が複数にわたる場合は巡幸(じゅんこう)という

援用

夜の淵をひと廻り 著 真藤順丈2016年1月31日 発行 教授の研究=犯罪生活曲線を援用、日本固有のアプローチを実現していた 【援用】えんよう ・自分の主張の助けとするため、他の意見や文献などを引用したり、示したりすること。「海外の論文を―する」 ・法律…

かててくわえて

夜の淵をひと廻り 著 真藤順丈2016年1月31日 発行 かててくわえて私ほど有能な警官でも 【糅てて加えて】かててくわえて ある事柄にさらに他の事柄が加わって。その上。おまけに。(良くないことが重なる時に使われることが多い)

中葉

ミステリー・アリーナ 著 深水黎一郎2015年6月発行 ますます貧しくなった二十一世紀中葉のこの日本 【中葉】ちゅうよう ある時代の中頃。中期

比肩

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 人類の月面着陸にも比肩しうる大いなる飛躍だった 【比肩】ひけん 肩を並べること。同等であること。匹敵

晦渋

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 はったりまかせの晦渋な本になど生涯見向きもしなかったようで 【晦渋】かいじゅう 言葉や文章が難しく意味がわかりにくいこと、さま。難解。「―な文」

時宜

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ところで、時宜を失わぬうちにここらで断っておこう 【時宜】じぎ ・時がちょうどよいこと。「―にかなった提案」 ・時にかなった挨拶。時儀

赫々

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ナチズム生誕の地で、赫々とナチズムを称えながら 【赫々】かくかく/かっかく ・赤々と照り輝くさま ・功名・評判などが立派で目立つさま

趨勢

華岡青洲の妻 著 有吉佐和子1967年発行 眼中にないらしく、いつも天下国家の趨勢を論じるのである 【趨勢】すうせい ある方向へと動く勢い。社会などの全体の流れ。「世の―を見極める」 「時代の―に愛国心と功名心を煽られて(本にだって雄と雌があります)」…

融通無碍

ことば汁 著 小池昌代2008年発行 何度も何度も繰り返しているせいで、話は融通無碍の極致に至り 【融通無碍】ゆうずうむげ 考え方や行動にとらわれるところがなく、自由であること、さま 「これほど―なテープ使いは(夜の淵をひと廻り)」

統御

ことば汁 著 小池昌代2008年発行 ツノという突起が、すべての感覚を統御していた 【統御】とうぎょ 全体をまとめて支配すること。思い通りに扱うこと。「大軍を―する」

改組

クリコフの思い出 陳舜臣 GPUは改組されて、KGBと呼ぶそうだが、この名はまだそれほどなじまれていない 【改組】かいそ 組織を改めること。改編。「機構を―する」●

アルビノ

コッペリア 著 加納朋子2003/7 発行 アルビノの魚や動物みたいに、少し不安で脆弱な美しさだ 【アルビノ】 先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患のある個体