2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

当世風

怪談 著 柳広司 光文社 2011/12/20 発行 いずれも当世風の小さな顔に、不釣合いなほど大きな目をした、モデルのようにすらりと手足の長い若い女性たち 【当世風】とうせいふう 今の世に流行している風俗・風習・考え方。またはそのさま。当世様。今風

蛮勇

地下の鳩 著 西加奈子 文芸春秋 2011/12/10 発行 だから吉田は今日、蛮勇をもって、みさをの前に現れた。 【蛮勇】ばんゆう 向こう見ずな勇気。乱暴な大胆さ。 「―を呪う声(凶笑面)」

淫猥

地下の鳩 著 西加奈子 文芸春秋 2011/12/10 発行 それは、淫猥で、うしろめたい気持ちだった。 【淫猥】いんわい いたずらに情欲を刺激する、下品でみだらなこと

土塊

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 その向こうに粘土質の土塊があった。 【土塊】どかい・つちくれ 土のかたまり

刃傷

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 錆び付いて抜けない刀では、刃傷事件を起こす心配もないしね。 【刃傷】にんじょう 刃物で人を傷つけること

古老

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 小原は何人かの古老に岩戸のことを訊いてみたのだといった。 【古老】ころう 老人。昔のことや故実に通じている老人 「製法を知っている―がいるので(十蘭レトリカ)」

刃文

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 日差しを受けて刃文がぎらりと光る。 【刃文】はもん 日本刀の刀身に現れる波模様。 (参考:http://iaito.tencho.cc/e21223.html)

背負子

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 背負い子を使ったとしてもそんなに遠くまで運べるとは思わなかった。 【背負子】しょいこ 荷物を背中に背負って運搬するための梯子状の道具 (参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%8C%E8%B2%A0%E5%AD%90…

涸沢

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 涸沢を渡ると再び空気が変わった。 【涸沢】からさわ 水の干上がった沢。 「季節にはたえだえな―に変わり(潮騒)」

潅木

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 潅木の茂みに向かって身構える顔つきが険しく見えた。 【潅木】かんぼく ヒトの身長より低い樹木。低木。 「出入りのわきに―がひと株(きもの)」 「―の茂みの蔭に(二つの月の記憶)」

深山

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 観光地から少し離れているために深山の趣がある。 【深山】しんざん・みやま 奥深い山

シノダケ

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 シノダケの茂みがざわざわと音を立てて揺れ、怖くなって先を急ごうとアクセルを捻った拍子に 【篠竹・シノダケ】 根笹の仲間の総称。細くて、群がって生える竹 (参考:http://www.geocities.jp/auffischen/mar…

全天

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 ビルの片隅に現れた黒雲はたちまち全天を覆い尽くし、やがて激しい雨を降らせたそうだ 【全天】ぜんてん 空の全体

リベット

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 おそらく外板を留めているのだろうたくさんのリベットは、映画などで見るそれによく似ていた。 【リベット】 鋲の一種 (参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88)

葉叢

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 風来山を覆う木々の葉叢が、夜空の下で蠢いたように感じた。 【葉叢】はむら 生い茂った草木の葉

筐体

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 受け取るとずっしりと重かった。筐体の厚みは約十センチメートル。 【筐体】きょうたい 機械を納めた箱型の容器

入母屋造り

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 県道から逸れると、周囲に入母屋造りの農家が目立つようになった。 【入母屋造り】いりもやづくり 入母屋屋根をもつ建物 (参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E6%AF%8D%E5%B1%8B%E9%80%A0)

雨滴

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 軒から滴り落ちる雨滴が、アスファルトに当たって跳ねる様子をぼんやり眺めていると 【雨滴】うてき 雨粒。あまだれ

就農

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 就農を前提としている訳ではなく、体験学習のような形でも構わないそうだ。 【就農】 農業に従事すること

代掻き

斬首刀 著 宮ノ川顕 角川書店 2011/11/25 発行 道の両側に代掻きを終えた水田が広がっていた。 【代掻き】しろかき 水田に水を入れ、土塊を砕きかきならす作業。田掻き。(季)夏

邪淫

人間失格 著 太宰治 1948年発行 もし自分が美貌だったとしても、それはいわば邪淫の美貌だったに違いありませんが、その検事の顔は、正しい美貌、とでもいいたいような、聡明な静謐の気配を持っていました。 【邪淫】じゃいん ・よこしまでみだらなこと ・不…

義絶

人間失格 著 太宰治 1948年発行 これっきり生家とは義絶になるかもしれぬ、と自分に申し渡して帰りました。 【義絶】ぎぜつ 肉親と縁を切ること 「むこうが私を―したのよ(影を買う店)」

千万言

人間失格 著 太宰治 1948年発行 自分には、女の千万言の身の上噺よりも、その一言の呟きのほうに、共感をそそられるに違いないと期待していても 【千万言】せんまんげん とてもたくさんの言葉【百万言】ひゃくまんげん 非常に多くの言葉 「―を尽くすよりも如…

円光

人間失格 著 太宰治 1948年発行 その白痴か狂人の淫売婦たちに、マリヤの円光を現実に見た夜もあったのです。 【円光】 ・丸い形の光 ・菩薩の後方から放たれる光の和。後光

記章

人間失格 著 太宰治 1948年発行 そうして、その中学の制帽の徽章にも、制服のボタンにも、桜の花が図案化せられて咲いていました。 【記章・徽章】きしょう 職業や身分などを示すために衣服などにつけるしるし。バッジ

懊悩

人間失格 著 太宰治 1948年発行 そうして自分ひとりの懊悩は胸の中の小箱に秘め、その憂鬱、ナアヴァスネスをひたかくしに隠して、ひたすら無邪気の楽天性を装い、 【懊悩】おうのう 悩みもだえること・さま

痛苦

人間失格 著 太宰治 1948年発行 しかし、それこそ最も強い痛苦で、自分の例の十個の禍いなど、吹っ飛んでしまうほどの、凄惨な阿鼻地獄なのかもしれない、 【痛苦】 痛み苦しむこと・さま。苦痛

呻吟

人間失格 著 太宰治 1948年発行 自分はその不安のために夜々、転輾し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。 【呻吟】しんぎん 苦しみうめくこと 「痛い、痛い、と―する(彼女がその名を知らない鳥たち)」

暗然

人間失格 著 太宰治 1948年発行 二十歳ちかくになってわかって、人間のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。 【暗然】 ・暗いさま。黒いさま。はっきりしないさま ・悲しみや憂いに気落ちするさま

霧消

人間失格 著 太宰治 1948年発行 その部屋の主人公の顔の印象は、すっと霧消して、どうしても、何としても思い出せない。 【霧消】 霧がはれるように消えてなくなること