2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

虚名

蔵の中・子を貸し屋―他三篇 著 宇野浩二大正7年〜 つまらない事件をあつかつて、若手の名辯護士といふ虚名を博してゐるぞ 【虚名】きょめい ・実力以上の評判や名声 ・事実とは違う悪い噂

鉤の手

蔵の中・子を貸し屋―他三篇 著 宇野浩二大正7年〜 私は鉤の手になつて延びてゐる下宿の曲り角にある部屋を借りました 【鉤の手】かぎのて 鉤の形に曲っていること。ほぼ直角に曲がっていること

寸善尺魔

ヴィヨンの妻 著 太宰治 人間の一生は地獄でございまして、寸善尺魔、とは、まったく本当の事でございますね 【寸善尺魔】すんぜんしゃくま 小さな善と大きな魔。世の中には良いことはほんの少ししかなく、悪いことの方がずっと多いこと。また、良いことが少…

万世一系

ヴィヨンの妻 著 太宰治 もっと早くから読んでおればよかった。万世一系とは、こんな作家の事を言うのです 【万世一系】ばんせいいっけい 永遠に一つの系統が続くこと。多くは皇室・皇統についていう

明窓浄机

ヴィヨンの妻 著 太宰治 小川君の書斎は、裏二階にあった。明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで 【明窓浄机】めいそうじょうき 明るい窓と清潔な机。転じて、学問をするのに適した明るく清らかな書斎

心懐

ヴィヨンの妻 著 太宰治 私は元来、あの美談の偉人の心懐には少しも感服せず、かえって無頼漢どもに 【心懐】しんかい 心に思うこと。意中

拙策

合本 三太郎の日記 著 阿部次郎1914年・1915年発行 求めんとしてまず宗教家につくは、むしろ拙策にあらざるか 【拙策】せっさく つたない策略。まずい計画。謙譲語としても使う

粗大

合本 三太郎の日記 著 阿部次郎1914年・1915年発行 今日吉岡が来たけれども粗大な話ばかりで身にしみなかった 【粗大】そだい ・荒っぽく大まかなこと、さま。大雑把 ・荒くて大きいこと、さま