2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

木戸を突く

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 そやさかい上流階級から木戸をつかれるのは仕方がないとは思いますよ 【木戸を突く】きどをつく 興行場で、入場を拒む

一再

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 こういうことが、一再ならずあると、疑うのは当然でしょう 【一再】いっさい 一、二度。一、二回。「苦情は―にとどまらない」【一再ならず】いっさいならず 一度や二度でなく。何度も

位負け

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 まあ、位負けだね、出てった方がさ」と申しましたのが印象的でした 【位負け】くらいまけ ・相手の地位や品位などに圧倒され力が出せないこと ・実力以上の地位にいるため、かえって苦しむこと

落成

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 お屋敷が落成すると、すぐ私は、そちらの方に移りました 【落成】らくせい 工事が完了し建築物などが出来上がること。竣工

閨閥

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 閨閥という言葉がございましょう。親も御当人も思惑があって、御結婚なさいますから 【閨閥】けいばつ 妻の親類を中心に結ばれている勢力。また広義には政略結婚とも。

七所借り

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 買えと言いますでしょ。私、八所借りして算段いたしますから 【七所借り】ななところがり/ななとこがり あちこちから金品を借り集めること

一盗二卑三妾四妓五妻

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 でも、一盗二卑三妾なんて申しますでしょ。だから兄も、ちょっと気が動いたんじゃ 【一盗二卑三妾四妓五妻】いっとう にひ さんしょう しぎ ごさい 男性が欲情する対象を順に表したたとえ。盗は人妻、卑は下女、妾は…

癇癖

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 実の父母に絶縁の罵声を浴びせたほどの癇癖の父と 【癇癖】かんぺき 怒りっぽい性質。「―が強い」

赫怒

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 父はなにかのはずみで赫怒する、そういう人だったのです 【赫怒】かくど 激しく怒ること。激怒

豪儀

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 しかし、豪儀な大箱の上には、大箱同様、ほこりをかぶった箱が積まれている 【豪儀】ごうぎ ・威勢の良いさま。素晴らしく立派なさま ・強情なさま。頑固 ・程度の甚だしいさま

三角州

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 大使館の重厚な装備のなされた塀が邪魔をして、ちょうど三角州のようになっている 【三角州】さんかくす 河水の運搬してきた土砂が河口付近に堆積 (たいせき) してできた地形。三角に似た形。デルタ (参考:https://ja…

励行

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 乾布摩擦。うがい。外出からもどったさいの手洗い励行 【励行】れいこう 決めたこと、決められたことをその通り実行すること。「早寝早起きを―する」

猟色

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 猟色を続けてきたようには決して見えないが、恋愛の経験は多かったろう 【猟色】りょうしょく 次々と女あさりをすること。漁色 「漁色家で有名なおっちゃんが(漁師の愛人)」

退色/褪色

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 万年筆の青の褪色に、戦前というむかし、を実感した 【退色/褪色】たいしょく 日光などにさらされ、色がだんだん薄くなること。色あせること。またその色

中庸

同窓生 著 新津きよみ200/12/8 発行 運動神経も中くらい、おまけに容姿も十人並みの、すべて中庸の子だった 【中庸】ちゅうよう 偏ることなく常に変わらないこと。過不足なく調和がとれていること、さま。「―を得た意見」「―な(の)精神」

夾雑物

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 そして人間は、なんて夾雑物にまみれているんだろう 【夾雑物】きょうざつぶつ 混じっている余計なもの。「―を取り除く」 「―は一切ない(コッペリア)」 「否応なく―が浜に堆積してしまう(蘆屋家の崩壊)」

夏野

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 頭の中で白い夏野となつてゐる と、陸の字が書かれたメモが、 【夏野】なつの 夏草の茂る野原。夏野原。(季)夏

恬淡

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 陸は恬淡としていた。わたしの方は、居心地が悪くて 【恬淡】てんたん 欲がなく、物事に執着しないこと、さま 「みずからの肉の喜びには―として(うつろ舟)」

払底

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 まだその頃は物資は払底してなかったから 【払底】ふってい すっかりなくなること。乏しくなること、さま。「人材が―している」□

韜晦

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 「意味がわかんない」と言ったのは、諧謔でも韜晦でもなんでもなく、本気 【韜晦】とうかい ・自分の本心や才能・地位を包み隠すこと ・身を隠すこと。姿をくらますこと 「ぼくの探索は―の磁気嵐にさまたげられて(聖少女)」

うべなう

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 さびしがるかもしれないと、内心では半分うべなっていたのだ 【諾なう/宜なう】うべなう ・願いや要求を引き受ける。同意する ・服従する ・謝罪する。詫びる

濫読/乱読

妖都 著 津原泰水1977/11 発行 これまで多様なジャンルの書物を濫読してきた 【濫読/乱読】らんどく いろいろな本を手当たり次第に読むこと 「作品を片っ端から―し(この女)」

忙中閑あり

妖都 著 津原泰水1977/11 発行 岳雪はいつものように飄逸な口調で、「忙中閑ありというやつで 【忙中閑あり】ぼうちゅうかんあり 忙しい中にも僅かな暇はあるものである

霜髪

妖都 著 津原泰水1977/11 発行 顔をあげると、息子の岳雪が霜髪を揺らしていた 【霜髪】そうはつ 霜を置いたような白髪

鬼面人を威す

妖都 著 津原泰水1977/11 発行 ごく断片しか頭に残っていないが、鬼面人を威す類の羅列以上の印象はなく 【鬼面人を威す】きめんひとをおどす 見せかけだけ恐ろしそうにして人をおどかす。鬼面人を驚かす●

功成り名遂げる

ヒポクラテスの誓い 著 中山七里2015/5/14 発行 功成り名遂げた大学教授でもあり医師でもある二人が 【功成り名遂げる】こうなりなとげる 立派な仕事を成し遂げ、世間的な名声を得る

恋々

ヒポクラテスの誓い 著 中山七里2015/5/14 発行 あの男ほど名誉や地位に恋々としない者もいないのではないだろうか 【恋々】れんれん ・未練が強く、思い切れないさま。「地位に―としてすがりつく」 ・恋慕の情を思い切れないこと

口舌/口説

ヒポクラテスの誓い 著 中山七里2015/5/14 発行 その口説はもう何度目だ。ウチの出来損ないの学生でも、もう少し 【口舌/口説】くぜつ/くぜち ・言葉。弁舌。おしゃべり。多弁 ・言い争い。文句。江戸時代には、男女間の痴話喧嘩

眼鏡違い

ヒポクラテスの誓い 著 中山七里2015/5/14 発行 見る目も不十分で、しょっちゅう眼鏡違いをやらかす 【眼鏡違い】めがねちがい 人物など、良し悪しの判断を誤ること。「彼の採用は―だった」

鉄面皮

ヒポクラテスの誓い 著 中山七里2015/5/14 発行 鉄面皮で、傲慢で、傍若無人な男だからだ 【鉄面皮】てつめんぴ 恥知らずで厚かましいこと、人、さま。厚顔 「本を読んでる女の―が(カソウスキの行方)」