2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

急追

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 法水は更に急追を休めず、凄気を双眼に泛べて言い放った 【急追】きゅうつい 急いで追うこと。激しくおいかけること

好尚

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 それは貴方の勝手な好尚だ。貴方は、歪んだ空想のために、常軌を逸しとるのです 【好尚】こうしょう このみ。嗜好。または、はやり。流行。「時代の―に合わせる」

悲愁

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 するとレヴェズは困憊の中にも悲愁な表情を見せて云った 【悲愁】ひしゅう 悲しみに深く沈むこと。悲しみと憂い。「―を帯びる」「―な姿」

極言

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 いや、僕はもっと極言しましょう 【極言】きょくげん 極端な言い方をすること。遠慮なく言うこと。その言葉 「さらに―すれば(きりぎりす)」

洗い立てる

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 声を慄わせ身悶えまでして、私の身を残酷にお洗い立てになるのでした 【洗い立てる】あらいたてる ・繰り返し十分に洗う ・内情や真相(特に他人の悪事や不品行)をあばきだす。ほじくり出す

惹起

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 この事件最後の悲劇を惹起しようなどとは、てんで思いも及ばなかった事だろう 【惹起】じゃっき 事件や問題を引き起こすこと。「紛争を―する」 「幾多の悲劇を―した(もめん随筆)」 「核融合反応のようなものを―し…

蓋然性

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 どうしてあの虹が、そんな蓋然性に乏しいものなもんか 【蓋然性】がいぜんせい ある事柄が起こったり、真実として認められる見込み。可能性の程度。「―が高い・低い」

策動

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 ああ云う連中がどう云う防衛的な策動に出ようと、 【策動】さくどう ひそかに計画をめぐらして行動すること。多く、悪巧みをいう。「乗っ取りを―する」

破船

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 病理的な情熱の破船状態だと云います 【破船】はせん 難破船

狂妄

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 久我さんは微弱な狂妄 と仰有います 【狂妄】きょうぼう/きょうもう 常軌を逸した、道理に反する行いをすること、さま 「フカの餌食になる値打しかない、―だったのです(瓶詰の地獄)」

玩弄

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 黒死館殺人事件根元の教本さえ、玩弄してるんだぜ 【玩弄】がんろう ・遊び道具としてもてあそぶこと。「―物」 ・見下してなぶりものにすること。愚弄 「この快楽を―して(最暗黒の東京)」

蒙昧

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 暗く粗暴な蒙昧な、如何にも重々し気なテオドリック朝辺りを髣髴とさせる 【蒙昧】もうまい 暗いこと。転じて、知識や道理にくらいこと、さま。愚昧。「―な大衆」「無知―」

駁論

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 いやハーバードの実験心理学教室に対する駁論なんだよ 【駁論】ばくろん 相手の論を非難し、反対意見を述べること。また、その議論。「必死になって―する」

児戯

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 無論あの驚嘆すべき現象に対しては、児戯に過ぎんよ 【児戯】じぎ 子供の遊び。また、幼稚なこと 「ある人々には―に類するであろう(愛と認識との出発)」 「暫時その徒輩の―に任しておくのも一興(八軒長屋)」 「…

迷霧

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 従って、事件はそれなり迷霧に鎖されてしまったのである 【迷霧】めいむ ・方角がわからないほどの深い霧 ・迷いの境地を霧にたとえた語。「―を払う」

塁壁

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 熊城の作り上げた人間の塁壁が、第一どうなってしまうのであろう 【塁壁】るいへき とりでの壁。また、とりで 「黄土色の―と建物が、入り江を囲んでそびえ立つ(これは王国のかぎ)」

小胆

黒死館殺人事件 著 小栗虫太郎1935年 発行 つまり、小胆で迷信深い犯人は、一度苦い経験を踏んで、たしか脅かされたに違いありません 【小胆】しょうたん 気が小さいこと。度胸がないこと。度量が狭いこと、さま。小心。(反)大胆