2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

篆刻

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 篆刻が旨いということも話した。お祖母さんはさる大名のお屋敷に奉公していた 【篆刻】てんこく 石や木などの印材に字を刻むこと。印章を作成する行為

旅装

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 地中海の向こう側へ渡るんだと言って、しきりに旅装をととのえていた。 【旅装】りょそう 旅行の際の服装。旅じたく。「―を解く」

漬け菜

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 それから漬け菜に塩を振って樽へ詰め込む所である 【漬け菜】つけな 漬け物用の葉菜。または、漬け物にした菜

神代

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 なんでもよほど古いことで、神代に近い昔と思われるが、自分が軍をして運悪く 【神代】かみよ 神が治めていた時代。神話の時代 「―以来ずっと続いてきた(壺中の回廊)」 「いろいろ―の面影が残つて居る(思ひ出の記)」

御宇

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 桓武天皇の御宇に、ぜんざいが軒下に赤く染め抜かれていたかは、わかりやすからぬ歴史上の疑問である 【御宇】ぎょう その帝王が天下を治めている期間。御代(みよ)

三伏

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 あたかも三伏の日に照り付けられた焼け石が、緑の底に空を映さぬ暗い池へ、落ち込んだようなものだ 【三伏】さんぷく 夏のもっとも暑い時期。(季)夏SSS

春寒

文鳥・夢十夜・永日小品 著 夏目漱石 この淋しい京を、春寒の宵に、疾く走る汽車から会釈なく振り落された余は 【春寒】はるさむ/しゅんかん 立春が過ぎてもぶり返す寒さ。余寒(よかん)。(季)春

淵藪/淵叢

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 ところもあろうに現代文化の淵叢であり権威である九州帝国大学の 【淵藪/淵叢】えんそう 物事が寄り集まる場所。活動の中心地

玉なし

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 そうしてコンナ書類を残らず焼棄て、玉なしにしてくれよう 【玉なし】たまなし そのものの良さを失うこと、さま。台無し

お先走り

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 自身は電子か何かになって、箒星のお先走りでも承るつもりでいたし 【お先走り】おさきばしり 誰より先に軽はずみに行動すること、その人 「どういうお先っ走りな心霊が(久生十蘭短篇選)」

勃興

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 またはその頃から勃興しかけていた精神分析学なぞを研究しつつ 【勃興】ぼっこう にわかに勢力を得、盛んになること

雪白

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 死んでから間もないらしい雪白の肌で、頬や耳には臙脂の色がなまめかしく 【雪白】せっぱく ・雪のように真っ白であること、さま ・潔白であることのたとえ