2011-01-01から1年間の記事一覧

利害得失

クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰 著 今村友紀 河出書房新社 2011/11/30 発行 これは利害得失とか蓋然性とかの問題ではなくて私自身の―私たちの―存在に関わることなんだ。 【利害得失】りがいとくしつ 利益と損失 「自己の―にさえ漠として人間放れの星影…

胡蝶の夢

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 胡蝶の夢状態ですね。人間が蝶になった夢を見ているのか、蝶が人間になった夢を見ているのか 【胡蝶の夢】こちょうのゆめ 荘子が夢の中で蝶になり、自分が蝶か、蝶が自分か区別がつかなくなったという故事から ・現…

古刹

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 ここは由緒ある古刹なんですよ。東大寺や興福寺と一緒に南都七大寺のひとつに数えられていた。 【古刹】こさつ 古く、由緒のある寺。古寺

通底

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 それは、鎌田の持説と通底するところがあったからだ。 【通底】つうてい 表面上は異なってみえるが、基本的な事柄が共通していること

論拠

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 ええ。夢札を引くことができるのならば、別の夢札を入れることもできるんじゃないか、というのがその論拠です。 【論拠】ろんきょ 議論の根拠 「荒唐無稽なことには、案外―があるもの(妻が椎茸だったころ)」

深謀

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 本人を目の前にしてみると、そういった深謀めいたことを企みそうな女には見えなかった。 【深謀】しんぼう 先のことを深く考えて立てたはかりごと

屋敷林

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 田んぼの中にところどころ見える黒っぽい屋敷林は、まるで大きなカラスが伏せているように見える。 【屋敷林】やしきりん 防風や防雪、防火のために屋敷の周囲に設置された林。屋敷森

瑞兆

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 すごい瑞兆ってことになるわよね、もしそうだったら 【瑞兆】ずいちょう めでたいことが起きる前兆。吉兆 「こりゃとてつもない―だ(感染広告)」

矩形

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 この長い線と、この矩形の線は、ひょっとして 【矩形】くけい 長方形 「床の中央を、―に照らし出していた」

御簾

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 輿は四角くて黒っぽい御簾が四方に掛かっていた。時折、その御簾がふわりと揺れて外側にわずかに持ち上がり、風が吹き出してくる。 【御簾】みす ちょっとかしこまったすだれ (参考:http://rakutyukanzin.blog71.…

素通し

夢違 著 恩田陸 角川書店 2011/11/15 発行 「受付」と書かれたプレートの置かれたカウンターの上は素通しの窓になっている。 【素通し】 ・遮るものがなく、向こう側がすっかり見通せること ・透き通ったガラス ・度の入っていない眼鏡

帰農

斜陽 著 太宰治 1947年発行 道が三つしか無いんだ、一つは帰農だ、一つは自殺、もう一つは女のヒモさ 【帰農】きのう ・農業をやめていた者が、再び農業をはじめること ・都会での生活をやめ、農業をはじめること 「領地である権田村に―し(妻の超然)」

到来物

斜陽 著 太宰治 1947年発行 これは到来物でございますが、とおっしゃって応接間の隅の戸棚から梨を三つ取り出して私に下さった。 【到来物】とうらいもの 人からのいただきもの。もらいもの。

狡知

斜陽 著 太宰治 1947年発行 本当に、私はあの手紙の一行々々に狡智の限りを尽くしてみたのです。 【狡知・狡智】こうち ずるく賢い考え。悪知恵。奸知 「ちょっとした―が働いて(潮騒)」

奸策・姦策

斜陽 著 太宰治 1947年発行 こないだ差し上げた手紙は、とても、ずるい、蛇のような奸策に満ち満ちていたのを、いちいち見破っておしまいになったのでしょう 【奸策・姦策】かんさく 悪巧み。人を陥れるはかりごと。奸計

含羞

斜陽 著 太宰治 1947年発行 あなやの驚き、含羞旋風、裸身むざん、薄くれない 【含羞】がんしゅう はにかみ はじらい。はにかみ。恥ずかしがる気持ち

花穂

斜陽 著 太宰治 1947年発行 牛島の藤は、樹齢千年、熊野の藤は、数百年と称えられ、その花穂の如きも、前者で最長九尺、後者で五尺余と聞いて、ただその花穂にのみ、心がおどる。 【花穂】かすい 稲穂のように、一本の軸に短い花が群がって付く花序 (参考:…

明けはなれる

斜陽 著 太宰治 1947年発行 夜のまったく明けはなれるまで、お勝手の食器の用も無い整理などしていた。 【明けはなれる】 夜がすっかり明ける

在世

斜陽 著 太宰治 1947年発行 お母さまは、お父上の在世中と少しも変わらない、のんきな、優しいお母さまだった。 【在世】ざいせ この世に生きていること 「かつて彼の亡父の―ちゆうに(蔵の中・子を貸し屋」 「父親―の頃から(暢気眼鏡・虫の色々 他十三篇)…

徳利に味噌をつめる

遊廓浜田楼 著 鈴木ナミ 文芸社 2005/6/15 発行 おクマさんはとっくりに味噌をつめるような事を平気で言う女だけど、 【徳利に味噌をつめる】 とっくりに味噌はつめにくいことから、実際に合わないことや、そぐわないこと

肝胆相照らす

遊廓浜田楼 著 鈴木ナミ 文芸社 2005/6/15 発行 父と彼とは十年の知己の如く、肝胆相照らす仲とは、このことを言うのかと私は思った。 【肝胆相照らす】かんたんあいてらす 互いに心の底まで打ち明けて、親しく付き合う 「内実は、十梨と―し合っているに違い…

三惚れ

遊廓浜田楼 著 鈴木ナミ 文芸社 2005/6/15 発行 大したお人だと思いますよ。それに三惚れとはお前さんのことですナ 【三惚れ】さんぼれ 土地に惚れ、仕事に惚れ、女房に惚れるBBB

紅灯

遊廓浜田楼 著 鈴木ナミ 文芸社 2005/6/15 発行 多くの女たちが、這いずるようにして生きてゆく紅燈の巷。 【紅灯】こうとう ・赤いともしび ・歓楽街の華やかな明かり 「紅燈の巷」とは歓楽街、いろまちのこと

凄艶

遊廓浜田楼 著 鈴木ナミ 文芸社 2005/6/15 発行 凄艶そのもので、画面はむせかえるような芳香に充ちていた。 【凄艶】せいえん ぞっとするほど艶やかな様子 「彼女の大きな眼は、むしろ―な光をたたえて(或る少女の死まで 他二篇)」

閑雅

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 横浜での生活は閑雅で余裕に満ちてはいたが、自分の中に積み重なっていくものは何もなかった 【閑雅】かんが ・しとやかで優雅なこと、さま。上品 ・(景色などが)静かで趣があること、さま 「奥の方から、…

長足の進歩

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 演技や滑りに長足の進歩を見せていることは、過去の練習映像や前田樹里ら下の選手との比較からも明らか 【長足の進歩】ちょうそくのしんぽ 短い期間で大幅に進歩すること 「初期型からは―を遂げている(聖な…

良習

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 ほかのお母さん仲間との一体感が生まれる貴重な良習に思えるのだった。 【良習】りょうしゅう よい習慣

嬌笑

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 娘たちの練習を尻目に嬌笑を振りまいて和やかに会話を楽しんでいる彼女ら 【嬌笑】きょうしょう 女性がなまめかしく笑うこと。色っぽく華やかな笑い。

後塵を拝す

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 希和の後塵を拝す銅メダルにとどまり 【後塵を拝する】こうじんをはいする ・地位や権勢のある人を羨ましく思う ・すぐれた人物につき従う ・他人に先んじられる。支配下となる。下風(かふう)に立つ

胸襟を開く

銀色の絆 著 雫井脩介 PHP研究所 2011/11/25 発行 小織がすぐには彼女に懐きようがないのと同様、梨津子も簡単に胸襟を開くことはできなかった。 【胸襟を開く】きょうきんをひらく 心の内をすっかり打ち明けること+