2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

夜目遠目笠の内

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 でも島さん、夜目、遠目、傘の内って言うわよ 【夜目遠目笠の内】よめ とおめ かさのうち 夜見る顔や、遠くから見る顔や、傘からのぞけた顔は、はっきり見えないので実際より美しく見えるということ。多くは女…

平板

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 ことによって何かが変わる。平板な世界にちゃんとした奥行がもどってくる 【平板】へいばん ・平らな板 ・変化に乏しく、面白みがないこと、さま。「―な文章」

油照り

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 油照りの暑い日で、蝉が鳴きしきり 【油照り】あぶらでり 風がなく、薄日が照りつけて、油汗がにじむような天気。(季)夏

木の間隠れ

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 ずっと遠くの木の間隠れにTシャツの鮮やかな色がちらつくだけのときもあれば 【木の間隠れ】このまがくれ 木々の間から見え隠れすること。「―に往来が見える」

花首

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 アジサイが八月だというのにまだ色褪せた花首をもたげていた 【花首】はなくび 花を支えている茎の部分

綿羊

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 そのことが大らかな緬羊の匂いになって身体に流れこんでくる 【綿羊/緬羊】めんよう 家畜の羊のこと。特に毛用を指す

押し拉ぐ

痺れる 著 沼田まほかる 光文社 2010/4/25 発行 はじめるまえから疲労感におしひしがれそうになる 【押し拉ぐ】おしひしぐ ・押してつぶす。「―がれた車」 ・圧迫を加え勢いを弱める。「プレッシャーに―がれる」 ・押さえつける。押しやる

万有

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 いよいよ白銀の溶鉱炉と変じ、地上の万有を焦がしている。 【万有】ばんゆう 宇宙に存在する全ての物。万物

左傾

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 左傾したまま板敷きに正座している姿は 【左傾】さけい ・左側に傾くこと ・思想が左翼的な方向へ傾くこと

一再

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 難癖をつけられた経験は一再ではない。 【一再】いっさい 一、二度。一、二回。「注意を受けたのは―にとどまらない」

中興

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 文芸部のかつてのエース、かつ漁労部中興の祖ともいわれる 【中興の祖】ちゅうこうのそ 中興の業を成し遂げた祖先 「西洋医学―と言われている(ドグラ・マグラ)」 「落語会―(こっちへお入り)」【中興】…

かけ小屋

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 子供の賑やかな声が響きわたる。かけ小屋も三つほど出ている。 【掛け小屋】かけごや 臨時に作られた興行・作業用の仮小屋

異数

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 笹浦で海女をしていたという異数の経歴の持ち主で 【異数】いすう ・普通とは違った待遇。特別の恩恵 ・めったにないこと、さま。異例▽

下知

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 とのリクルート委員長の下知を受けつつ 【下知】げじ ・上から下へ指図すること。命令。「一同に―する」 「もともと奉行の―があったわけでも(金色機械)」 「『そら、やれやれ』と―した(銀の匙)」 「頭…

逢着

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 素直に従うような人間ではないとの理解に逢着したらしい 【逢着】ほうちゃく 出くわすこと。行き当たること。「難題に―する」 「反省を促すべき第一の事に―する(愛と認識との出発)」

面詰

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 なくしましたやろ、といきなり面詰してくるナマズ大王 【面詰】めんきつ 面と向かって咎めること。面責

箴言

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 ただより高いものはないという箴言は単なる誤りである。 【箴言】しんげん 戒めの言葉。教訓の意味を持つ短い言葉。格言 「でたらめな―に勿体をつけるつもりか(久生十蘭短篇選)」 「次の―を知っています…

卑近

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 桑幸にとっても卑近な問題であり、関心をよせぬわけにはいかない 【卑近】ひきん 身近でありふれていること。俗っぽいこと。さま。「―な例としては」 「興味深い、―な種類のもので(ドグラ・マグラ)」

気味合い

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 派遣された間諜の気味あいがあり、 【気味合い】きみあい ・気持ち。気分。趣。また、気分のいいさま、趣のあるさま ・互いに相手の心中を探り合うこと。多く、歌舞伎の演出にいう ・異性への関心をもつこ…

激甚

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 馬沢教授は激甚なダメージを受けた、とは 【激甚】げきじん 非常に激しいこと。はなはだしいこと。さま。「―な被害」 「初めての―な体験を味わった(うつろ舟)」

全方位外交

沈黙の町で 著 奥田英朗 朝日新聞出版 2013/2/28 発行 広告主が地元企業だから、自然と全方位外交的になる。 【全方位外交】ぜんほういがいこう 特定の国だけでなく、すべての国と平等に外交関係を持つこと。また、全体と均等に付き合うこと

素浪人

沈黙の町で 著 奥田英朗 朝日新聞出版 2013/2/28 発行 どこか素浪人を思わせるひょうひょうとした人物だった 【素浪人】すろうにん 浪人を卑しめていう語。無一文の浪人

軽重

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 物欲しげに愛の軽重を計る目だった 【軽重】けいちょう ・重量の軽いことと重いこと。またその度合い。重さ。目方 ・価値や程度の小さいことと大きいこと。またその度合い ・軽んずることと重…

反古

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 どうしても頭に浮かび、反古の裏に化学式を書く手が止まった 【反故/反古】ほご ・不要になった紙。ほうご。ほぐ ・役に立たなくなった物事 ・無効。取り消し

相克

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 家族との相克に疲れ、彼女はバランスを失っている。 【相克】そうこく ・対立や矛盾している二つのものが、互いに相手に勝とうと争うことKKK

印章

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 実印を掘る印章屋のように親権そのものだ。 【印章】いんしょう 印。判

主宰

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 大学の教授が主宰する公開講義の受講がはやりらしい。 【主宰】しゅさい 人々の上に立って全体をまとめること。団体などを中心となって運営すること、人 「いくつもの慈善団体を―した(嘔吐)」

交歓

私が語りはじめた彼は 著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 先生の愛の交歓を聞きながら彼女と話すのはなんともいたたまれず 【交歓】こうかん ともに打ち解けて楽しむこと。「―会」

放縦

私が語りはじめた彼は著 三浦しをん 新潮社 2004/5 単行本発行 性的ニ放縦ナ氏ヲコノママ 【放縦】ほうじゅう 何の規律もなく勝手気ままにふるまうこと、さま。放埓。ほうしょう 「お島の―な調子におずおずして(あらくれ)」 「―な血を盛った重いこの女の身…

泡沫

凶笑面 著 北森鴻 新潮社 2000/5 単行本発行 佐芝や生方の唱える泡沫のような仮説には、早めに引導を渡すことこそ 【泡沫】ほうまつ ・水面に浮かぶ泡。「―のごとく消える」 ・はかなく消えるもののたとえ。