2017-01-01から1年間の記事一覧

一味同心

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 秘事の一味同心や 【一味同心】いちみどうしん 心を一つにして力を合わせること、またその人々

気息

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 ユラリと人の蠢く気配がした。今まで完全に気息を絶っていたのだ 【気息】きそく ・呼吸。息。「―を整える」 ・気持ち。気質

膝詰め

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 わしも見てのとおり一人だ。膝詰めで談判しようと思いましてな 【膝詰め】ひざづめ 膝と膝とを突き合わせること。相手に強く詰め寄ること。「―談判」「―で交渉する」

恐懼

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 八助は恐懼しながら、挨拶を続けた 【恐懼】きょうく おそれかしこまること

憂悶

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 憂悶を浮かべた郡奉公から目を背けて、奉公所の中へ走った 【憂悶】ゆうもん 思い悩み、苦しむこと

鼻薬を嗅がせる

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 音羽に鼻薬を嗅がされているのではあるまいか 【鼻薬を嗅がせる】はなぐすりをかがせる 賄賂を使う。鼻薬をきかせる

歓待

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 失態の詫びの代わりとして歓待し、土産の一つも持たせて帰そうと 【歓待】かんたい 手厚くもてなすこと

献策

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月発行 またしても静馬の献策は徒労に終わった 【献策】けんさく 上位の者や公の機関に対して計画・案などを申し述べること

主客転倒

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月 発行 思案を巡らせ始めると、主客転倒、目的と手段を取り違えてしまうようだ 【主客転倒】しゅかくてんとう 主と客の力関係が逆転すること。物事の軽重、本末などを取り違えること

進講

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月 発行 出入りの蘭学者が進講していたのを聞いた 【進講】しんこう 天皇や貴人の前で学問の講義をすること

春風駘蕩

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月 発行 肌を刺すような寒さだというのに、春風駘蕩とでもいうのか、なんとも間の抜けた 【春風駘蕩】しゅんぷうたいとう ・春風がのどかに吹くさま ・物事に動じず余裕のあるさま。ゆったりとのんびりしているさま

晴耕雨読

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月 発行 晴耕雨読、というわけにはいかなかったらしい 【晴耕雨読】せいこううどく 晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家で読書すること。悠々自適の生活を送ること

冗員

猫間地獄のわらべ歌 著 幡大介2012年7月 発行 この太平の世では、使番など単なる冗員と言っても良い 【冗員】じょういん 無駄な人員

分掌

鏡陥穽 著 飛鳥部勝則2005/7 発行 「…私には、わかりません」「君の分掌だ。わからないとはいわせない」 【分掌】ぶんしょう 仕事や事務を手分けして受け持つこと。分担。「事務を―する」

瘴気

鏡陥穽 著 飛鳥部勝則2005/7 発行 瘴気を発する底なし沼の縁に立った気分だ 【瘴気】しょうき 熱病を起させるという山川の毒気

気宇壮大

鏡陥穽 著 飛鳥部勝則2005/7 発行 何だかピンと来ませんが、気宇広大な話ですねえ 【気宇壮大】きうそうだい 心意気がよく度量の広いこと。構想などが大きく立派であること、さま。「―な人」「―な小説」

淫する/婬する

鏡陥穽 著 飛鳥部勝則2005/7 発行 もともと、世の中に想像に淫することほど楽しいことはない。そうだろう 【淫する/婬する】いんする ・度が過ぎる。度を過ぎて熱中する。ふける。「読書に―する」「猟色に―する」 ・みだらなことをする

象る/模る

漁師の愛人 著 森絵都2013/12/15 発行 話を聞くにつれうっすら象られてきたイメージを 【象る/模る】かたどる ・物の形を写し取る。また、ある形に似せて作る ・物事を形象化して表す。象徴する。

泥む/滞む

漁師の愛人 著 森絵都2013/12/15 発行 何か言いたげな気配が受話器のむこうに泥んでいる 【泥む/滞む】なずむ ・そのことに心がとらわれる。こだわる。執着する ・物事がはかばかしく進まないでいる。とどこおる ・なじむ。なれ親しむ ・悩み苦しむ。病む ・…

牢として

漁師の愛人 著 森絵都2013/12/15 発行 実際の君は、牢としてそこから動けずにいる 【牢として】ろうとして 固くしっかりしていて、動かしたり変えたりすることができないさま

修する

ねむり姫 著 澁澤龍彦 おまえたちは化生だから、わざわざ観法を修するにはおよばぬじゃろう 【修する】しゅうする ・学問などを身につける。おさめる。しゅする ・整えて正しくする。「身を―」 ・壊れたところを直す。修理する ・仏事などを執り行う。しゅす…

宿運

ねむり姫 著 澁澤龍彦 それは美しいお姫さまで、お気の毒な宿運もさることながら 【宿運】しゅくうん 前世から定まっている運命。宿命

淋漓

ねむり姫 著 澁澤龍彦 血が、白銀の糸で縁どりした唐衣の袖口を淋漓と濡らして 【淋漓】りんり ・水、汗、血などがしたたり流れるさま ・勢いなどが表面にあふれ出るさま

爛壊

ねむり姫 著 澁澤龍彦 数年をへたりといえども、身は爛壊せず、存生の時のごとし 【爛壊】らんえ 肉がただれ崩れること

下生

ねむり姫 著 澁澤龍彦 この花が咲けば如来が下生すると聞かされて、島のひとびとは手もなく浮かれ 【下生】げしょう ・仏語。極楽に往生するもののうち、それぞれの最下位 ・神仏がこの世に現れること

艶冶

ねむり姫 著 澁澤龍彦 見るひとに息を呑ませるほど艶冶なふぜいを掻きたてるのだった 【艶冶】えんや なまめいて美しいこと、さま

満面朱を濺ぐ

茗荷谷の猫 著 木内昇2008年9月25日 発行 耕吉は、満面朱を濺ぎ「ぐう」と喉を鳴らした 【満面朱を濺ぐ】まんめんしゅをそそぐ 怒って顔を真っ赤にする

推挽/推輓

茗荷谷の猫 著 木内昇2008年9月25日 発行 主人が喜んでいましたわ。でも、推挽したのは私よ。ね。私は見る目があるんだから 【推挽/推輓】すいばん 他者を、ある地位や役職に推薦したり引き上げたりすること 「目に叶えば、グールモンに―を頼んでもいいとさ…

重畳

茗荷谷の猫 著 木内昇2008年9月25日 発行 昼前であったが偏奇館はすでに開いていた。重畳である 【重畳】ちょうじょう ・幾重にも重なること、さま ・この上なく満足なこと。大変喜ばしいこと。感動詞的にも用いる。頂上(ちょうじょう)

言辞

茗荷谷の猫 著 木内昇2008年9月25日 発行 亭主はそんな自慢芬々の言辞をもって恐縮の言葉と代えた 【言辞】げんじ 言葉。言葉遣い。言詞(げんし)