2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

曠古

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 正木先生の独創に係る曠古の精神科学の実験は、あなたとあの六号室の令嬢 【曠古】こうこ 今までに例のないこと。前代未聞。未曾有。空前TTT

天意

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 はたして人為のものか、それとも天意に出でたものであるかは、やはりあなたが 【天意】てんい ・天の意思。または、自然の道理 「条件が整った。―に押された寥は(にぎやかな落葉たち)」 ・天子の意思

長嘆

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 推薦されたということを聞いて、長嘆これを久しゅうした。 【長嘆】ちょうたん 長い溜息をつきながら嘆くこと

篤学

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 独力で集められたほどの、非常に篤学な方でございましたが、殊に非常な 【篤学】とくがく 熱心に学問にはげむこと、人。「―の士」 「天寿の終わりに近き―が(黒死館殺人事件)」

昼夜兼行

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 図書館の本を借りて来て、昼夜兼行で筆写したりなぞしておりましたのに 【昼夜兼行】ちゅうやけんこう 昼夜問わず仕事をすること。また、休まずに道を急ぐこと

漫文

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 翻弄するために書いた無意味な漫文とも考えられるという 【漫文】まんぶん ・思いつくままに書いた、とりとめのない文章 ・滑稽味のあるくだけた文章

横溢

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 書けないよと思われるような気味の悪い妖気が全篇に横溢しています。 【横溢】おういつ 溢れんばかりにみなぎっていること。とても盛んなこと

一瀉千里

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 それから先はおそらく一瀉千里に、あなたの過去の御記憶の全部を 【一瀉千里】いっしゃせんり 流れが極めて速いことの形容。また、弁舌や文章がよどみなく進むこと 「猛然として筆を執ろう、―、まづ一年で一冊…

暗涙

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 驚いて、弱って、暗涙を拭い立ちすくんでいる私の手を引いて、 【暗涙】あんるい 人知れず流す涙。「―にむせぶ」

満天下

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 司法当局のみならず、満天下の視聴が集中致しております次第 【満天下】まんてんか この世に満ちていること。また、世の中全体。「―に知らしめる」

証跡

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 「精神科学応用の犯罪と、その証跡」と題しまするテーマ 【証跡】しょうせき のちのちの証拠となるような痕跡 「狂気の―はどこにもなかった(地上)」

断々固/断々乎

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 正木先生は断々乎として言明しておられたのでございます。 【断々固/断々乎】だんだんこ 「断固」の強調語。非常にきっぱりとしているさま。「―として拒絶する」

凄愴

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 確信にみちみちた…真剣な…悽愴とした…。ほとんど空前とも申すべき怪奇、悽愴を極めた犯罪の真相をも 【凄愴】せいそう ・悲しみいたむこと。また、非常にいたましいさま。「―な歴史」 ・非常にいたましいさま…

四壁

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 高まる呼吸の音が、凩のように深夜の四壁に反響するのを聞いていた 【四壁】しへき ・部屋を取り巻いている四方の壁 「廃墟の―に谺した(潮騒)」 ・家の周りの囲いや、植えてある立木や竹

姦夫

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 叔父とはもう呼ぶまい。あの姦夫を切り苛み 【姦夫】かんぷ 既婚女性と密通する男。間男 「―姦婦の恥しらずめ!という想いが絶えずあって(地上)」

険阻

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 細い険阻な道を下りていく 【険阻】けんそ ・地勢のけわしいさま、その場所。険峻(けんしゅん)。「―な上り坂」 「危い―をのぼって(春の雪)」 ・顔つきなどがけわしいこと、さま

奏する

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 どこで奏しているのかと見まわす私に 【奏する】そうする ・天子に申しあげる ・音楽をかなでる。楽器を演奏する。「ギターを―する」 ・成果をもたらす。「功を―する」

篤志家

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 寄付を申し出てくれる篤志家もいない 【篤志家】とくしか 篤志(あつい志)のある人。特に社会奉仕や慈善事業などを熱心に実行・支援する人 「専門に研究している―の手で(ドグラ・マグラ)」 「郷土芸術なん…

喨々

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 銀の喇叭が喨々と吹き鳴らされる 【喨々】りょうりょう 音が明るく澄んで鳴り響くさま。「―たる響き」

痛痒

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 奪われても、痛痒を感じないのだろう 【痛痒】つうよう 精神的・肉体的な苦痛や、物質的な損害。さしさわり

供する

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 滞在しているとき供された大きい天幕を 【供する】きょうする ・神仏などにそなえる。ささげる。「仏花を―する」 ・身分の高い人などに差し出す。差し上げる ・役立てる。提供する。「実用に―する」

悪罵

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 知るかぎりの悪罵を私に浴びせることで 【悪罵】あくば 口汚くののしること。またその言葉。「人前で―する」

蝋涙

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 したたり落ちた蝋涙がうずたかい 【蝋涙】ろうるい ともした蝋燭から溶けて流れた蝋をいう 「燃え尽きて―のこぼれ伝うた銀の燭台が(美しき町・西班牙犬の家 他六篇)」

鯨飲

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 鯨飲など、恥ずべきことだ 【鯨飲】げいいん 鯨が水を飲むように、酒をたくさん飲むこと。牛飲

渡河

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 エティエンヌが渡河を試みようとしたとき 【渡河】とか 河を渡ること

遠雷

少年十字軍 著 皆川博子 ポプラ社 2013/3/6 発行 少しの間をおいて、遠雷を聞いた。 【遠雷】えんらい 遠方で鳴る雷。(季)夏

身過ぎ

なめらかで熱くて甘苦しくて 著 川上弘美 新潮社 2013/2/25 発行 わたしと青木の身過ぎはごくあたりまえのものだ。 【身過ぎ】みすぎ ・暮らしを立てていくこと。またそのよすが。なりわい。 ・身の境遇