2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

落人

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 世を狭められた落人のように、お国は自分達の事を思った 【落人】おちゅうど 戦に負け、人目を避けて逃げる人

手盛り

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 朝川は手盛りで緩々飯を食いながら、根掘り葉掘り訊いて見たが 【手盛り】てもり ・自分で食べ物を食器に盛ること ・自分勝手に自己の利益を図ること ・計略。策略

近所合壁

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 茶請を奢って、近所合壁の噂をも聞いて、調子を合せて笑い興じもするけれど 【近所合壁】きんじょがっぺき 近くの家々のこと。隣近所 「わづかに十二坪の―へ響き渡りぬ(八軒長屋)」

残肴

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 障子を開けると、残肴を囲んで四人がばらばらに坐っている 【残肴】ざんこう 食べ残した肴。酒宴の残り物

摩する

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 さして広い庭でもないが、夜目には奥深く、一際すぐれた樅の木は冴えた空を摩している 【摩する】まする ・こする。みがく ・すれすれになるほど近づく。迫る。接近する。「天を―高層タワー」

伍する

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 農夫に伍して革命を説いたり、国を脱走して他国に流浪するあたり、さも面白そうに書いてあるが 【伍する】ごする 肩を並べる。仲間に入る。「列強に―する」

鼓吹

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 今の中に社会に士気を鼓吹しなければ、日本の国家も将来が案じられるて 【鼓吹】こすい ・元気づけ励ますこと。鼓舞 ・意見や思想を盛んに唱え、広く賛成を得ようとすること 「芳子に向っても尠からず―した。(…

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 その中で殊に妻君の寵を辱う(かたじけのう)する者が一人ある 【寵】ちょう 特に可愛がること。また非常に気に入られる事。寵愛。「―をほしいままにする」

引照

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 この中の要点は一々原書から直接に引照したのだから、自分でも確かだと信じてる 【引照】いんしょう 他の事柄やものと引き比べること。文献などを照らし合わせること

弊風

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 我々は滔々たる弊風に感染せず、徒らに虚名を求めずして真面目なる研究を続けたし 【弊風】へいふう 悪い風俗や習慣。悪習

訳筆

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 軽く答えて、物が何であれ、訳筆が何であれ、そんな事は身を入れて聞こうとはせぬ 【訳筆】やくひつ 翻訳の文章。訳文

余瀝

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 矢張り酒という奴あ味いもんだ。」と、余瀝を舐めて、畳の上に置いた 【余瀝】よれき 器の底に残った酒や汁などのしずくAAA

禿筆

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 鉄亜鈴で鍛えた手に禿筆(ちびふで)を握って、死灰の文字をほじくって 【禿筆/禿び筆】とくひつ/ちびふで 穂先のすり切れた筆。ちびた筆 「これを無遠慮なる一本の―に掻き廻せば(八軒長屋)」

楽寝

甘い蜜の部屋 著 森茉莉1975年 発行 御包も楽寝をきめこんでいたその午後、モイラは台所にいた 【楽寝】らくね のんびり気楽に寝ること。のびのび寝ること。「―をむさぼる」