建物

壁龕

抒情的恐怖群 著 高原英理2009年4月10日 発行 左側、壁龕のように小さな窓型のへこみが作られ、その少し突き出た台の上に 【壁龕】へきがん 西洋建築で、厚みのある壁をえぐって作ったくぼみ。彫像や花瓶などを置く。ニッチ (参考:http://blog.goo.ne.jp/t…

要衝

鹿笛 著 宇江敏勝2013年8月15日 発行 村の入り口に位置して、いわば交通の要衝なのである 【要衝】ようしょう 軍事・交通・産業の上で大切な地点。要所。「交通の―」PPP

武者溜まり

営繕かるかや怪異譚 著 小野不由美2014年12月発行 大昔の武者溜まりにある踏切で、などと場所を説明していた 【武者溜まり】むしゃだまり 軍勢の集合用に、城門の近くに設けられた広場

架橋

本にだって雄と雌があります 著 小田雅久仁2012年10月発行 ユーモアこそが知識人と大衆とを架橋するものである 【架橋】かきょう 橋をかけること。またその橋。「―工事」AAA

立坑/縦坑/竪坑

クチュクチュバーン 著 吉村萬壱2002年8月発行 直径二十メートルほどの水の縦坑を発見している 【立坑/縦坑/竪坑】たてこう 垂直に掘り下げた坑道。運搬路や通気に用いる

軍港

ご近所美術館 著 森福都2012年発行 戦前は軍港として栄え、今は戦艦大和の博物館で有名な町だ 【軍港】ぐんこう 海軍の艦艇の根拠地となる港

租借

クリコフの思い出 陳舜臣 土地を持っている。これは神戸市から永代租借したもので 【租借】そしゃく ある国が、特別の合意の上、他国の領土の一部を一定期間に限って借りること。「―地」III

林泉

今昔 著 森田たま昭和26年〜 門をはいっていく曲り、林泉美しい庭園の一屋に案内されて落着いた 【林泉】りんせん ・林や泉水を配して造った庭園 ・世を逃れて隠れ住む地MMM

落成

悪女について 著 有吉佐和子1978年 発行 お屋敷が落成すると、すぐ私は、そちらの方に移りました 【落成】らくせい 工事が完了し建築物などが出来上がること。竣工

石塁

とっぴんぱらりの風太郎 著 万城目学2013/9/28 建つ位置から一間ほど高くなった石塁の上だった 【石塁】せきるい 石のとりで。岩石で築いた城塁 「―が見えたらそこが境界線(蜂蜜秘密)」

井楼

とっぴんぱらりの風太郎 著 万城目学2013/9/28 背の高い井楼の足元に用意された篝火の明かりが 【井楼】せいろう 戦場で、敵陣を偵察するために材木を井桁に組んで作るやぐら。みせやぐら (参考:http://castle.jpn.org/s/shimousa/sakai/5.html)

火宅

八軒長屋 著 村上浪六明治39年 秋は月に掉さす汀の虫の音、冬は枯れ木の雪に火宅の宿を忘れて、いつでも 【火宅】かたく 仏語。煩悩や苦しみに満ちたこの世を、火炎に包まれた家にたとえた語

橋畔

機械・春は馬車に乗って 著 横光利一大正13年〜 舌のない獅子の諷刺を橋畔で示したさいにも、彼のあげたあの豪快な謎めく笑いには 【橋畔】きょうはん 橋のたもと。橋頭

獄窓

煤煙 著 森田草平1910年〜 男の失望は何んなであらう。若し又光の薄い獄窓の下で読んだとしたら 【獄窓】ごくそう 牢獄の窓。また、牢獄の中、獄中

狭隘

合本 三太郎の日記 著 阿部次郎1914年・1915年発行 狭隘なる自分の興味を標準としてこれと等しいものを他人の文章から拾い出そうとする者 【狭隘】きょうあい ・面積などが狭くゆとりがないこと、さま ・心が狭いこと。度量が小さいこと、さま

摩する

何処へ・入江のほとり 著 正宗白鳥明治40年〜 さして広い庭でもないが、夜目には奥深く、一際すぐれた樅の木は冴えた空を摩している 【摩する】まする ・こする。みがく ・すれすれになるほど近づく。迫る。接近する。「天を―高層タワー」

門口

きりぎりす 著 太宰治1974年 発行 何度も何度も、家の門口を出たりはいったりいたします 【門口】かどぐち ・家や門の出入り口 ・物事が始まろうとする時

広庭

潮騒 著 三島由紀夫1954年発行 桜並木にかこまれた小学校の広庭を抜けた 【広庭】ひろにわ ・玄関先の広い庭。単に、広い庭 ・家の中の土間

隧道

聖なる怠け者の冒険 著 森見登美彦朝日新聞社 2013/5/30 発行 廊下は垢だらけで煉瓦造りの隧道のように暗い 【隧道】すいどう/ずいどう ・トンネル ・棺を埋めるために、地中を掘り下げて墓穴へ通じる道。はかみち+

豪壮

壺中の回廊 著 松井今朝子 集英社 2013/6/30 発行 あの豪壮な邸宅を見ただけに、却って今度の事件は現実味が乏しいのだ 【豪壮】ごうそう 規模が大きく立派なさま

前栽

壺中の回廊 著 松井今朝子 集英社 2013/6/30 発行 鬱蒼とした前栽はちょっとした森のごとくで、それを縫うように 【前栽】せんざい ・草木を植えた庭。寝殿造りでは正殿の前庭。のちには、座敷の前庭 「川べりの―に植え込のある、役員の住みそうな家(或る少…

地境

ドグラ・マグラ 著 夢野久作 1935年 発行 婿入りの形にするために、地境の畠を潰しまして、見事な離家が一軒建ちました 【地境】じざかい/ちきょう 所有者の異なる土地の境界、さかい 「尾根をつたって、―になるらしいほうへ降りてみたが(久生十蘭短篇選)」…

四壁

ドグラ・マグラ(上) 著 夢野久作 1935年 発行 高まる呼吸の音が、凩のように深夜の四壁に反響するのを聞いていた 【四壁】しへき ・部屋を取り巻いている四方の壁 「廃墟の―に谺した(潮騒)」 ・家の周りの囲いや、植えてある立木や竹

かけ小屋

黄色い水着の謎 著 奥泉光 文芸春秋 2012/9/25 発行 子供の賑やかな声が響きわたる。かけ小屋も三つほど出ている。 【掛け小屋】かけごや 臨時に作られた興行・作業用の仮小屋

忍び返し

笑うハーレキン 著 道尾秀介 中央公論新社 2013/1/10 発行 その塀の上にも隙間なく忍び返しがついている 【忍び返し】しのびがえし 侵入者を防ぐため、塀の上にとがらせた木などを並べ立てたもの (参考:http://www.kanamonoten.co.jp/syohin09/shinobi.htm…

刎橋

エムブリヲ奇譚 著 山白朝子 メディアファクトリー 2012/3/2 発行 「橋がある。あれは刎橋だ」 【刎橋】はねばし 江戸時代に存在した架橋形式 (参考:http://www.kyoryoshimbun.com/cn4/pg97.html)

土塁

残穢 著 小野不由美 新潮社 2012/7/20 発行 やがて敷地いっぱい、土塁のようにゴミが山積し始めた。 【土塁】どるい 土を盛り上げて築いたとりで 「高さ三間の―を越え(とっぴんぱらりの風太郎)」 (参考:http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kanko/kan…

暗渠

蒲公英草紙 著 恩田陸 集英社 2005/6/10 発行 ひっそりと暗渠を流れる伏流水、などなど 【暗渠】あんきょ 地下に埋設された、または蓋をしてしまっている水路。暗溝。閉水路 「水路に流れ去り、近くの―に吸い込まれ(営繕かるかや怪異譚)」

仕舞た屋

花のさくら通り 著 荻原浩 集英社 2012/6/30 発行 煤けた店と古ぼけた仕舞屋ばかりが続き、街灯に造花の桜が飾られ 【仕舞た屋】しもたや ・住居専用の町家、家屋 ・商いをやめた家

一郭

倒立する塔の殺人 著 皆川博子 理論社 2007/11 発行 一郭だけ焼け残っていた。どれも庭は百数十坪から二百坪、あるいはそれ以上の広さがあり 【一郭/一廓】いっかく ひとつの囲いの中の地域。ある一続きの地域