2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

要害

砂の女 著 安倍公房1962年発行 まるで天然の要害のなかに住んでいるようなものである 【要害】ようがい ・地形がけわしく守りに有利なこと、その場所。「―の地」 ・戦略上、重要な場所に築いた砦。要塞 ・防御すること。用心すること

お流れ

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 鼻の穴に、夫人のお流れを頂戴させると、見ているうちにグニャグニャとなって 【お流れ】おながれ ・予定していたことができなくなること ・酒席で、貴人や目上の人から杯を受け、ついでもらう酒。古くは、飲み残しの杯を渡…

気保養

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 折角ノンビリと気保養している時間を、外から勝手に掻き廻わされるじゃないか 【気保養】きほよう 楽しんだりのんびりしたりして、心を休めること。気晴らしKKK

皇儲

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 上も下も一斉に、皇儲の御誕生を渇望しておりましたので 【皇儲】こうちょ 天皇の世継ぎ。皇嗣(こうし)

幽暗

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 肉体も霊魂も、ホントウの幽暗に逐い出されて、夜となく、昼となく哀哭み 【幽暗】ゆうあん 暗くかすかなこと、さま

沈淪

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 その一度その一度ごとに、私の心は沈淪の患難に付されるかのように、畏懼れ、慄えるのでした 【沈淪】ちんりん ・深く沈むこと ・ひどく落ちぶれること。零落

渇望

ユリゴコロ 著 沼田まほかる2011年4月 ただ私の渇望は、級友たちのように甘い恋愛へと向かうのではなく 【渇望】かつぼう 喉の渇きで水を欲するように、心から望むこと。切望。熱望

手暗がり

ユリゴコロ 著 沼田まほかる2011年4月 手暗がりになるので窓のそばに行き、すぐに何もかも忘れて文章に引き込まれた 【手暗がり】てくらがり 自分の手に光が遮られ手もとが暗くなること、その場所

教化

美しい家 著 新野剛志2013年2月 発行 家族の物語を創造し、人々を教化していったのだとか 【教化】きょうか 人を教え導き、また道徳的・思想的な影響を与えて望ましい方向にすすませること。「人民を―する」

物心

美しい家 著 新野剛志2013年2月 発行 中谷に比べたら、物心ともに余裕のある生活を送っているはずだ 【物心】ぶっしん 物と心。物質と精神

一場の夢

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 消滅してしまうと、たったいまのけしきは一場の夢のようで 【一場の夢】いちじょうのゆめ 春夜に見る短い夢のように儚いこと。一場の春夢(しゅんむ)△

斎戒沐浴

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 斎戒沐浴した藤原家のうら若い二十人の姫君の手によって 【斎戒沐浴】さいかいもくよく 飲食や行動を慎み、体を洗って穢れをはらうこと

切言

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 思えば、死んだ父は海へ行くなと切言したものであった 【切言】せつげん ・相手のために熱心に説くこと、その言葉 ・厳しく言うこと、その言葉

五月闇

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 海のほうを透かして見た。星も出ていない五月闇である 【五月闇】さつきやみ 陰暦5月(新暦で5月下〜7月中)の、梅雨が降るころの夜の暗さ、その暗やみ。(季)夏

老来

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 いささか晩酌をすごしたあとでは、老来、いつもきまって早くに寝てしまう 【老来】ろうらい ・年をとること。老年 ・老年になって以来。年をとってこのかた 「―、輪鼓を引くための肉体的エネルギーは(ねむり姫)」