無分類

枢要

牛肉と馬鈴薯 著 国木田独歩明治35年ごろ〜 人々はみなそのの学び得し新知識を利用して社会枢要の地位を占ましたけれど 【枢要】すうよう 物事の最も大切なところ。最も重要であること、さま。「組織の―」「―な地位に就く」

会する

牛肉と馬鈴薯 著 国木田独歩明治35年ごろ〜 同じく維新の風雲に会しながらも妙な機から雲梯をすべり落ちて 【会する】かいする ・ある場所に寄り集まる ・ある場所で一緒になる。複数のものが出会い一つになる「全てこの一点に―した」 ・人や物事と出会う。…

幽暗

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 肉体も霊魂も、ホントウの幽暗に逐い出されて、夜となく、昼となく哀哭み 【幽暗】ゆうあん 暗くかすかなこと、さま

沈淪

瓶詰の地獄 著 夢野久作昭和3年〜 その一度その一度ごとに、私の心は沈淪の患難に付されるかのように、畏懼れ、慄えるのでした 【沈淪】ちんりん ・深く沈むこと ・ひどく落ちぶれること。零落

和朝

うつろ舟 著 渋澤龍彦1986年 発行 和朝においても、かくは王公貴人の珍重するところとなっているのでして 【和朝/倭朝】わちょう ・日本の朝廷 ・我が国。日本。本朝。和国

因由

この女 著 森絵都2011年 発行 これも頭頂葉に因由する症候のひとつで 【因由】いんゆう/いんゆ 物事の起こりとなること、その事柄。原因。由来○

玉響

この女 著 森絵都2011年 発行 紙のようなものであり、その表面に描かれた万事はたまゆらの下書きにすぎない 【玉響】たまゆら 少しの間。ほんのしばらく 「明け方ほんの―見た記憶の再現(抒情的恐怖群)」

豪儀

よるねこ 著 姫野カオルコ2002/8 発行 しかし、豪儀な大箱の上には、大箱同様、ほこりをかぶった箱が積まれている 【豪儀】ごうぎ ・威勢の良いさま。素晴らしく立派なさま ・強情なさま。頑固 ・程度の甚だしいさま

払底

水声 著 川上弘美2014/9/30 発行 まだその頃は物資は払底してなかったから 【払底】ふってい すっかりなくなること。乏しくなること、さま。「人材が―している」□

遊弋

にぎやかな落葉たち 著 辻真先2015/2/18 発行 スカイブルーをバックに、遊弋する白い綿毛のような群れ 【遊弋】ゆうよく ・戦艦が水上をあちこち動き回って敵に備えること ・あちこち動き回ること

水際立つ

押絵の奇蹟 著 夢野久作 それにふさわしい水ぎわだった女将の魅力に、隙間もなく封じこめられていた 【水際立つ】みずぎわだつ ひときわ目立つ。あざやかに際立つ。「―った演出」 「はるかに凌駕した、―ったものだった(ニシノユキヒコの恋と冒険)」 「ひと…

遠大

押絵の奇蹟 著 夢野久作 その逃亡計画はかなり遠大なものと見なければならない、サテ 【遠大】えんだい (計画の規模や志が)将来まで見通して大きいさま。「―な計画」

横溢

押絵の奇蹟 著 夢野久作 並んだ楡や白楊の上にはモウ内地の晩秋じみた光が横溢していた 【横溢】おういつ 水や気力などがみなぎり、あふれるほど盛んなこと

無窮

押絵の奇蹟 著 夢野久作 僕はいつも僕自身を包んでいる無限の空間と、無窮の時間を発見しないわけにはいかなかった 【無窮】むきゅう 果てしないこと、さま。無限。永遠 「苦悶のあとの―の快楽(妖都)」

凡百

感染広告 著 三浦明博2012年2月 発行 だから凡百のグループと違って、手放したがらない人たちも多いと思うよ 【凡百】ぼんぴゃく いろいろのもの。かずかず。もろもろ。「―の役者をしのぐ才能」

漸減

感染広告 著 三浦明博2012年2月 発行 出荷数は年を追うごとに漸減状態だった 【漸減】ぜんげん 徐々に減ること。「利益が―する」

雲霞

とっぴんぱらりの風太郎 著 万城目学2013/9/28 雲霞の如き人出と聞いて、そんな鬱陶しいところには死んでも行かぬ、と 【雲霞】うんか ・雲とかすみ ・大勢の人が群がり集まるたとえ。「―のごとく押し寄せる」

偉容

とっぴんぱらりの風太郎 著 万城目学2013/9/28 「すごいね」と立ち止まるほどの偉容だった 【偉容】いよう 仰ぎ見るほど優れて立派な姿。堂々たる姿。「富士の―を仰ぐ」 「成長し続ける集合体の―である(クチュクチュバーン)」

連座

十蘭レトリカ 著 久生十蘭 劉炳恒が上海市長毒殺事件に連座して工部局の手で捕縛された 【連座】れんざ ・他人の犯罪に関し連帯責任を問われ罰せられること。累座 ・同じ席に連なって座ること■

併呑

十蘭レトリカ 著 久生十蘭 和蘭は白耳義に併呑され、伊太利は土耳古と擦り替えられる。忌々しいことこの上もない 【併呑】へいどん あわせのむこと。他勢力を自分の勢力下に入れること。「A国を―する」

十蘭レトリカ 著 久生十蘭 お二人がお始めになるのを待っている。場内闃として水をうったよう 【闃】げき 静まり返ったさま。ひっそりして人けのないさま

妙諦

十蘭レトリカ 著 久生十蘭 丁半の賭博に勝つ妙諦は奇数に賭けたり偶数に賭けたりアタフタせずに 【妙諦】みょうてい すぐれた真理。そのものの真価

蕩揺

十蘭レトリカ 著 久生十蘭 ありとあらゆる絢爛たる物質非物質が五彩の雲のように蕩揺している 【蕩揺】とうよう 揺り動かすこと。揺れ動くこと

亡失

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 著 尾崎 一雄昭和8年〜 祖父の時代の火事や、関東大震災での亡失からまぬがれた古い書附類の中に 【亡失】ぼうしつ 失いなくすこと。またうせてなくなること○

良否

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 著 尾崎 一雄昭和8年〜 その質と形で石の良否は決るのだろうが、私はそういうことには不案内で 【良否】りょうひ よいことと、よくないこと。良し悪し

分明

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 著 尾崎 一雄昭和8年〜 つまるところ、彼らが、緒方を是非とも必要としていることは、分明なのだ 【分明】ぶんめい ・他との区別がはっきりしていること。あきらかなこと、またそのさま。「―な事実」 ・明らかになること。…

席次

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 著 尾崎 一雄昭和8年〜 われわれの宇宙席次というべきものは、いったいどこにあるのか 【席次】せきじ ・会合などでの席順 ・成績、地位などの順位

閑寂

黒髪・別れたる妻に送る手紙 著 近松秋江大正時代 閑雅な京都の中でも取り分けて閑寂なので人に悦ばれるところであった 【閑寂】かんじゃく 物静かで趣のあること。ひっそりして落ち着いていること、さま。かんせきAAA

酸敗

一千一秒物語―稲垣足穂コレクション 著 稲垣足穂大正〜昭和 果実が新鮮なだけ酸敗の憂いが多いように 【酸敗】さんぱい 酒類や油脂などが酸化・分解し、色・味・においなどが変化して酸味を呈する現象

呑吐

一千一秒物語―稲垣足穂コレクション 著 稲垣足穂大正〜昭和 長蛇の列車を絶え間なく呑吐している貪婪な大停車場だの 【呑吐】どんと のむことと、はくこと。のんだりはいたりすること