2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

不知不識

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 奥さん家業の職業意識が、不知不識他の女に対していつも油断のない身がまへをさせる事になるのであろうか 【不知不識】ふちふしき しらずしらずのうちであること。「―の間」

当意即妙

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 なんといふうまい言葉を持つてゐる人だろうと、その当意即妙に感服したのである 【当意即妙】とういそくみょう すばやく適応して機転をきかすこと、さま 「気の利いた―の相づちを打つ(沙羅は和子の名を呼ぶ)」

星霜

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 ふしぎと出会ふ折がなく、いつか五年の星霜が過ぎてしまつた 【星霜】せいそう としつき。歳月 「爾来七―(牛肉と馬鈴薯)」

知命

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 細君の気がしれないと評したのは齢知命を超えたある大学教授であつたが 【知命】ちめい ・天命を知ること ・50歳のこと

訥弁

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 私が訥弁でその間に口をさしはさむ術を知らないのであるかも知れぬが 【訥弁】とつべん 話し方がなめらかでないこと、さま

昔日

もめん随筆 著 森田たま1936年 発表 一たん夫が没落して昔日の体面を保ち得ずとなるや否や、その細君はふらりと家を出て 【昔日】せきじつ 過去の日々。昔。いにしえ。往時。「―の面影」

独酌

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 夕方から独酌で飲み続けていた酒が、大方なくなりかけた頃 【独酌】どくしゃく 一人で酒を呑むこと。「静かに―する」

別盃

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 木村新一君が、田舎の女学校に赴任すると云うから、別盃を汲む事にした 【別盃】べっぱい 別れを惜しんで飲む酒。別れの盃III

頭目

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 先ず差し当り、多数派の頭目は野口だから、彼を一つおどかしてやろう 【頭目】とうもく ・頭と目 ・親分。かしら 「彼ら一団の―であった(機械・春は馬車に乗って)」

瓜田に履を納れず 李下に冠を正さず

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 「少なくとも君があれをかぶる事は、李下の冠瓜田の履だ」 「それを承知の上で、わざわざ瓜田に履を納れる事もあるさ」 【瓜田に履を納れず 李下に冠を正さず】かでんにくつをいれず りかにかんむりをたださず 人に…

宗旨

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 よく解らないんですけれど、何だか有りがたい御宗旨のようですわね 【宗旨】しゅうし ・ある宗教の中心教義 ・ある宗教の中の流派 ・自分の主義主張、趣味。好みのやり方や考え方。「―変え」

短夜

冥途・旅順入城式 著 内田百輭1922年 発表 そのうち不意に、短か夜が明け離れた。黄色い朝日がぎらぎらと輝いて 【短夜】みじかよ 短い夜。夜明けの早い夏の夜。(季)夏