満腔

もめん随筆 (中公文庫)
もめん随筆
著 森田たま

1936年 発表





嫌はれてゐるとより見えない細君のために、満腔の同情を寄せるのであつた





満腔】まんこう
体じゅう。満身。「―の敬意を表す」
  「死にきれず、―のうらみを残し(十蘭レトリカ)」
  「―の熱意をもって(うつろ舟)」
  「―の息を吐く(夜の淵をひと廻り)」