一掬の涙

八軒長屋 (古典文庫)
八軒長屋
著 村上浪六

明治39年





店の小僧が出逢いしという言葉に一掬の涙をそそいで、三円の菓子料を携えつつ





一掬の涙】いっきくのなみだ
両手ですくうほどの大量の涙。またわずかな涙の意にも用いる
  「アナタノタメニ―ナキヲ得マセン(蓼食う虫)」