2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

接収

恋の都 著 三島由紀夫 1953年発行 古いビルディングのほとんどが接収され、装いを新たにし、その屋上にヘンポンと星条旗をひるがえしている 【接収】せっしゅう 国などの権力機関が、個人の所有している物を強制的に取り上げること

訪客

恋の都 著 三島由紀夫 1953年発行 ドナルドの部屋には、日本人の女性の訪客がまれではなく、ある女は、鏡台の上に置かれたこのかぐわしい扇に 【訪客】ほうきゃく たずねてくる客。訪問客 「―と主人を加えて(猫町 他十七篇)」

畢竟

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 短編小説の良さは、畢竟、「人生、短い中でもいろいろ起こり得る」ことを、その短い枚数の中で仄めかせることができるところでは 【畢竟】ひっきょう つまるところ。結局。要するに 「―するところ(ドグラ・マグ…

涼風

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 その涼風に当たったとたんに頭が冷えた 【涼風】すずかぜ/りょうふう すずしい風

必携

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 感染の恐れがある地区への入国にはこれが必携となる 【必携】ひっけい ・必ず持っていなければならないこと ・便利な案内書

深間

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 二人でゆっくりと深間へ進み、その先にはかつてない広がりが見えた 【深間】ふかま ・川や海などの深いところ。ふかみ。「―に落ち込む」 ・男女の仲がきわめて深くなること

痛嘆

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 皆の驚愕、混乱、痛嘆―想像するだに気がふさいだ。 【痛嘆】つうたん 非常になげき悲しむこと。痛切ななげき

頑迷

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 母の頑迷さに苛立ちながらも一方で僕は安堵した。 【頑迷】がんめい 頑固で、ものの道理がわからないこと。考えに柔軟性がないこと・さま

凶報

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 何度読みかえしても変わることのない凶報を前に、 【凶報】きょうほう ・悪い知らせ ・死去の知らせ

美質

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 無論、本名が違っても彼の美質が損なわれるわけではありません。 【美質】びしつ 生まれつきのすぐれた性質・顔かたち 「与太郎の―を慈しむ(こっちへお入り)」

礼賛

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 草間家では「完全対称」と呼び、無条件に礼賛します。 【礼賛】らいさん すばらしいと褒めたたえること・ありがたく思うこと。「健康を―する」

橋上

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 そしてついに例の橋上で彼女を発見! 【橋上】きょうじょう 橋の上

奇獣

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 道行く人々はそんな彼を奇獣かなにかのようにながめ 【奇獣】きじゅう 珍しいけもの

月影

気分上々 著 森絵都 角川書店 2012/2/28 発行 川面に揺れる月影を眼下に小声で言葉を交わし、 【月影】つきかげ ・月の形 ・月のあかり

凝然

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 凝然と聞き入っていた亜利夫たちに向けて、いきなり鋭い声が飛んだ 【凝然】ぎょうぜん じっと動かないさま。「―と立ち尽くす」

愚昧

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 そんな愚昧や怠慢を、どうして許せるだろう。 【愚昧】ぐまい おろかで道理に暗いこと、さま。「―な私ですが」

柄のないところに柄をすげる

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 柄のないところに柄をすげて、あたしたちの目を眩まそうとしたって、もう駄目。 【柄のないところに柄をすげる】えのないところにえをすげる 無理やりに理屈をこじつけること。無理な言いがかりをつけること

奇縁

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 ”目黄”不動の前に立っているのは、よくよくの奇縁というものであろう。 【奇縁】きえん 思いがけない不思議な縁

頻々

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 頻々と続く放火、そして 【頻々】ひんぴん 同じようなことが次々に起こるさま。しばしば

昂然

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 藍ちゃんは昂然といい放った。 【昂然】こうぜん 自信に満ちて誇らしげなさま。「―と胸を張る」

暮色

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 ようやく淡い暮色の迫ろうとするころ、 【暮色】ぼしょく 夕暮れの薄暗い色。暮れかかったようす

幽鬼

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 肉親のことごとくを失った彼が、幽鬼のように衰え果ててみえても無理はないが 【幽鬼】ゆうき ・死者の霊 ・妖怪

黄塵

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 うすら雨や黄塵の日や、白く冴えた曇り日などの移り変わるうちに 【黄塵】こうじん ・空が黄色く見えるほどに激しい土ぼこり。(季)春 ・世の中のわずらわしさ。「―にまみれる」

渇仰

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 ひそかにポウへの渇仰と挑戦をあらわしたとも見られる。 【渇仰】かつごう ・深く仏を信じること ・心から憧れ慕うこと。「父を―してやまない」 「地方から来る崇拝者―の手紙は(蒲団・重右衛門の最後)」 「文学青年の…

時雨

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 きのうは南西風が吹きあれ、時雨めいた雨がぱらついていたが 【時雨】しぐれ 主に秋から冬にかけて、ぱらぱらと降る通り雨。「―が渡る」(季)冬

古雅

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 築山や池が古雅な趣を残している 【古雅】こが 古風で優雅なこと、さま 「それは―で奥床しく(猫町 他十七篇)」

跳梁

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 何かを堪え忍ぶように死の跳梁を許していた 【跳梁】ちょうりょう ・踊り、はねまわること ・好ましくないものが、のさばりはびこること。「賊徒が―する」

行路病者

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 行路病者がひとり偶然にまぎれこんだとも考えられるし 【行路病者】こうろびょうしゃ 行き倒れ

隠微

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 僅かに近隣の人々の同情と疑惑に包まれながら、隠微に正確に進行を続けた。 【隠微】 かすかでわかりにくいこと、目立たないこと

怨敵

虚無への供物 著 塔晶夫 1964年 発行 紅司を葬った怨敵の姿が、次第に色濃く刻まれてきたのであろう。 【怨敵】おんてき 恨みのある敵。かたき