2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

苦吟

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 ジンジンの本名が思い出せなくてしばし苦吟したのち、 【苦吟】くぎん 詩歌や俳句などを苦心して作ること、その作品。「熱心に―する」 「制限時間の中で―し(凶笑面)」

刑吏

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 惨めな境遇に陥れるべく派遣された地獄の刑吏に違いなかった 【刑吏】けいり 刑、特に死刑の執行にあたる官吏 「女をさいなむ―になりはてた自分の姿が(砂の女)」 「だれが―をつとめるか(…

夕間暮れ

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 子供時分の夕まぐれ、人殺しのあった近所の空き地で 【夕間暮れ】ゆうまぐれ 夕方の薄暗いこと、その時分。夕暮れ

下達

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 これは教授会の決定事項がただ下達されるだけの場であったから 【下達】かたつ 上の人の考えや命令などを下の者に伝えること【上意下達】じょういかたつ 上位の者の意志や命令を下位の者に徹…

林縁

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 じっと見詰めながら、桑幸はひとり林縁に佇んだ。 【林縁】りんえん 森林の周縁部

見晴るかす

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 抜けた先にはみはるかす大海があって、どぼんと落っこち沈みに沈んだ桑幸は 【見晴るかす】みはるかす はるかに遠くを見渡す。見晴らす。「―す大海原」 「―せど陸の影はなかった(少女外道)…

披瀝

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 なんかダメなんですよね」と否定的評価を披瀝する。 【披瀝】ひれき 心中をすべて打ち明けること。「真情を―する」

新来

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 桑幸は絶句しつつ、新来の人物を眺めた。 【新来】しんらい 新しく来ること、そのものや人。「―の客」

稠密

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 桑幸の頭上を覆う暗雲は著しく稠密となったのだった。 【稠密】ちゅうみつ ひとつところに多く集まっていること。こみあっていること、さま。「人口が―だ」

慨嘆

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 園村は慨嘆に堪えぬといった風情でいった 【慨嘆】がいたん 憂い嘆くこと。憤って嘆くこと。「―する」 「モーさん、―してたな(影を買う店)」

覇業

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 己の覇業の根城とすると肚を決めた。 【覇業】はぎょう 力をもって天下を支配すること。覇者の所業

詠嘆

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 くどいほどの詠嘆を重ねたのは、いくらなんでも悦び過ぎではないかと思われるかもしれない 【詠嘆】えいたん ・深く感動すること。「見事な坐作に―する」 ・感動を声に表すこと+

隠然

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 著 奥泉光 2011/5/15 発行 引退後も国文学界に隠然たる影響力を保っていたからである 【隠然】いんぜん 表面にはあらわれていないが、陰で強い力を持っているさま

忍び返し

笑うハーレキン 著 道尾秀介 中央公論新社 2013/1/10 発行 その塀の上にも隙間なく忍び返しがついている 【忍び返し】しのびがえし 侵入者を防ぐため、塀の上にとがらせた木などを並べ立てたもの (参考:http://www.kanamonoten.co.jp/syohin09/shinobi.htm…

酔眼

笑うハーレキン 著 道尾秀介 中央公論新社 2013/1/10 発行 しょぼついた酔眼を東口に向けた。 【酔眼】すいがん 酒に酔ったときの目。酒のために焦点の定まっていない目つき

戦史

笑うハーレキン 著 道尾秀介 中央公論新社 2013/1/10 発行 蔵書の中でとくに多いのが中国の戦史もので、芳川英治の『三国志』も全巻揃っている 【戦史】せんし 戦争の歴史、記録

手擦れ

こころ 著 夏目漱石 1914年 古本屋をひやかすのが目的でしたが、その日は手づれのした書物などをながめる気が、どうしても起こらないのです 【手擦れ】てずれ 何度も手が触れたため、擦れて痛むこと、またその箇所

高踏的

こころ 著 夏目漱石 1914年 Kを観察していながら、変に高踏的な彼の態度をどうすることもできなかったのです。 【高踏的】こうとうてき ・世俗を離れ、気高く身を保っているさま。「―な絵画」 ・独りよがりでお高くとまっているさま

幽谷より出でて喬木に遷る

こころ 著 夏目漱石 1914年 私の家へ引き移った彼は、幽谷から喬木に移った趣があったくらいです。 【幽谷より出でて喬木に遷る】ゆうこくよりいでて きょうぼくにうつる (詩経)低い地位から高い地位へ移ることを望むこと。栄転を望むこと

理非

こころ 著 夏目漱石 1914年 それ以後は理否を度外に置いてもKの味方をする気になりました。 【理非】りひ 道理にかなっていることと外れていること。是非。「―を弁じる」「―に関わらず」

細大

こころ 著 夏目漱石 1914年 校内の事は細大ともに世の中に知れ渡っているはずだと思いすぎる癖があります。 【細大】さいだい 細かいことと、大きなこと。細事と大事。巨細 「意識の内容を―洩らさず反射交感して(ドグラ・マグラ)」 「一日の出来事は―隠す…

狐疑

こころ 著 夏目漱石 1914年 しかし私にはもう狐疑というさっぱりしないかたまりがこびりついていました 【狐疑】こぎ 相手のことを(狐のように)疑うこと 「ちらと―のしわを眉間に浮べた(きりぎりす)」

談判

こころ 著 夏目漱石 1914年 私はとうとう叔父と談判を開きました。談判というのは少し不穏当かもしれませんが、話のなりゆきからいうと 【談判】だんぱん もめごとなどの決着をつけるため、相手方と話し合うこと。交渉。「―する」 「与右衛門さんが、一盃機…

質朴

こころ 著 夏目漱石 1914年 しかし彼らは今の学生にない一種質朴な点をその代わりにもっていたのです。 【質朴】しつぼく 性格が素直で律儀なこと、さま。純朴。素朴

しどろ

こころ 著 夏目漱石 1914年 頭が悩乱して筆がしどろに走るのではないように思います。 【しどろ】 秩序がなく乱れている様。「―に眠る」BBB